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秋田市立泉中学校3年 工藤 沙紀
その日は、突然やってきました。
それは、たった一通の手紙からでした。
「死ね」
悪夢のようなでき事に、震える心をおさえることができませんでした。
その手紙は私を変えました。「学校に行きたくない。」「私は生きていてもしょうがない。」とまで思いつめてしまうようになったのです。「もしかしたら、無差別に手紙をおいたのかもしれない。」そう思えばまだよかったのかもしれませんがどうしても自分がターゲットだと思ってしまうのでした。
親友も母も先生も励まし勇気づけてくれました。私は深い悲しみを抑え、事実を心の中に封印することにしました。しかし、傷は深く、人を心から信頼できなくなりました。いつの日か、そんな自分がいやになり、気が付くと心を閉ざすようになっていました。
そんな私に大きな転機が訪れました。
一人のおばあさんとの出会いです。学校が募集した「ふれあい看護体験」でその方と巡り逢いました。
私が体験をした病棟は、脳や心臓に大きな障害を持っている人たちが入院しているところでした。私は、大きな声で「こんにちは」といって病室に入りましたが、返事は誰からも帰ってきませんでした。
おばあさんもその中の一人でした。看護婦さんが、「爪がのびているから切ってもらおうか。」ときいたけれど反応はなく、不機嫌そうにそっぽを向いているだけでした。おばあさんは言語と下半身に重い障害が残っていたのです。そして、長い闘病生活によって、人を拒絶してしまう性格になってしまったのだそうです。
「心の闇」がおばあさんを包んでいるのだと直感しました。さみしそうな瞳が、簡単には気持ちを伝えあえないことを、容易に想像させました。それでも私なりに笑顔でたくさん話しかけたり、心を込めて爪を切ってあげたりしました。でも、おばあさんの表情は変わらず、返事も返ってきませんでした。
あきらめかけていたそのときでした。
「痛くないですか。」と尋ねた私に、おばあさんはうなずいてくれたのです。私は喜びで胸が一杯になりました。得も言われほんわかした気持ちで最後の活動をむかえることができました。
リハビリルームで、何とあのおばあさんに出会うことができたのでした。
「おばあさんがんばってください。」その一言に熱い思いを込めて伝えました。するとおばあさんは満面の笑顔で「ありがとう」といってくれたのです。思いがけない返事に、看護婦さんまでも驚き、私は涙がでそうになりました。おばあさんの「心の扉」を開くことができたように思いました。その時のおばあさんに笑顔とみんなの笑顔は忘れられません。
本当に心と心が通じあうには、思いのすべてを言葉に込めて伝えるしかないと実感しました。私はおばあさんから生きる力と喜びを教えてもらうことになったのです。このままではいけない、心の扉を開けて、少しずつ自分を取り戻していこうと強く思ったのです。
今、この場で、みなさんの前で宣言します。わたしはくじけずがんばります。
――――――― 心の扉を大きく開いて ―――――――
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